こんにちは、カリフォルニア在住のひっきーままです。
キンダーガーテンって日本語訳だと”幼稚園”ですよね。
そのせいか、日本の幼稚園と同じように考えられがちですけど実際は大きな違いがいくつもあります。
私も以前は何も知らず、アメリカの幼稚園とはどんな感じなのかな?と漠然と思いをめぐらせていました。
そろそろ5歳になるお子さんをお持ちのあなたへ、知っておきたい日本の幼稚園とアメリカのキンダーガーテンの違いについてお伝えします!
キンダーガーテンはアメリカの幼稚園?
まずはじめに「幼稚園って何?」っていうと、小学校に入学前の子供たちの教育と心身発達をサポートする施設ですよね。
アメリカには日本の幼稚園に当たる年齢の子供たちが行く学校は二つあります(保育所等は除く)。
- プリスクール: 2歳半くらいから4歳 任意で通う
- キンダーガーテン:5歳 義務教育(州によって異なる)
このように、キンダーガーテンって実は小学校に上がる前の1年間だけなんです。
またキンダーガーテンは一般に「キンダー」と省略してよばれています。
学校のシステムは州によって、または学区によっても違いがあります。
この記事ではカリフォルニア州での私の体験をもとにお話しします。大体の概要として参考にしていただけたらと思います。
キンダーガーテンと日本の幼稚園の違い
キンダーガーテン(以下 キンダーと省略)と日本の幼稚園で大きく違う7つの点をあげてみました!
- キンダーは義務教育のはじまり!
- キンダーは小学校の敷地内にある
- キンダーは秋に始まる
- 入園式、卒園式がない
- 小学生並みの授業がはじまる
- 私服にバックパックで通学
- 小学生との交流がたくさんある
では項目ごとに詳しく見てみましょう。
キンダーは義務教育のはじまり!
多くの州でキンダーはアメリカの義務教育の始まりです。
一番大きな違いですね。
K-12 といわれ、キンダー (K) から12年生、いわゆる高校卒業までがアメリカの義務教育です。
キンダーは「K」、小学校1年生から中学、高校までの12年は通しで数えます。
高校3年生は12年生となります。
「多くの州で」と言ったのは、キンダーの義務教育化については州ごとに規定が違うからです。
2022年時点ではアメリカの19の州とワシントンDCでキンダーが義務付けられています。
とはいえ、実際は義務付けられていなくても、ほとんどの子供たちはキンダーに通います。
キンダーでは小学校にあがるための基礎学習をしっかりやっていくので、とても大切な1年です!
キンダーは公立、私立がありますが、それ以外にホームスクール(家で教える)という選択肢もあります。
公立の場合、居住地によって学区(School District)がきまっているので、その学区内でキンダーへの申し込み手続きをすることになります。
公立校ならば授業料は無料です!
キンダーは小学校の敷地内にある!
私がはじめて「キンダーは小学校の一部」だと知った時はかなり驚きました。
「は? 何で? …なるほどね。」って感じでした。
キンダーの建物は小学校と同じ敷地内にあって、小学校と同じ校長先生のもとで運営されています。
小学校の付属幼稚園のようなものだと思うとわかりやすいです!
私は長女が小さいころ、「幼稚園は5歳からだと聞いているけど、私の住むエリアにはどんな幼稚園があるのかな?」とGoogleMapで探してみたことがありました。
でも何度 kindergarten と入力してもelementary schoolばかりが表示されてしまうのです。
この地域には小学校しかないのか?幼稚園はどこにあるんだ?と思いながら何度も検索した覚えがあります(汗)。
キンダーは秋に始まる
アメリカの学校は通常秋に新年度が始まり、春に終わります。(夏は夏休み!)
キンダーも同じです。
地域によりますが、新年度は8月か9月に始まります。
入学は秋ですが、キンダーへの申し込みは通常前年度の春には始まっています。
キンダーには入園式、卒園式がない!
日本だと入園式、卒園式は華やかで親にとっても大イベントですよね。
ですが、アメリカでは至ってシンプル。
「Welcome!」みたいなポスターやら風船やらで華やかな雰囲気はありますが、学年みんな合同での入学式はありません。
初日はみんなそわそわ、ワクワクしながら教室と担任の先生を確認します。
私も、ちょっと不安そうな子供と教室まで一緒に歩いていきました。
教室のドアには「Room 17:Mrs. xxx」のポスターが。
うちの子のクラスみつけた!
クラス名と生徒を迎える楽しいポスターや飾りがしてあってワクワク感ありです。
いざ始業ベルがなると先生のご挨拶。
初めの30分くらいは親も教室内でみてますが、頃合いを見計らってだんだん出ていきます。
と、こんな感じでキンダーがはじまります。
キンダーが終わっても、1年生になってまた同じ学校に同じメンツで通うわけなので、子供たちにとっては特別感はないみたいです。
親にとっては、初めの一年頑張って成長したな、と嬉しいんですけどね!
キンダーでも小学生並みの授業がはじまる
キンダーは小学校へ上がるための準備期間のような認識なので、読み書き、算数などの授業がすぐに始まります。
学期ごとにレポートカード(通知表)も配られますし、宿題が出ることもあります。学区や州ごとの学力テストなども行われ、小学校なみです。
英語が第二言語の子供たちは学校が提供する ELL (English Language Learner) や ELD (English Language Development) などの英語のスキルを伸ばすためのプログラムに参加することもできます。
私服にバックパックで通学
日本の幼稚園のようなかわいらしい制服や学校指定のバッグなどは公立校にはありません。
多くの公立校の生徒は私服にバックパック(リュックサックのようなバッグ)で登校します。
バックだけやたら大きく見えるんですが、実際に毎日もっていくのは筆箱とノートとお弁当くらいです。
大きな教科書やワークブックのほとんどは学校に置いて帰ります。
うちの子の学校では学校給食にするか家からお弁当を持っていくか、日替わりで決めていいようになっています。
キンダーと小学生との交流がたくさんある
小学校と同じ敷地内にあるとはいえ、キンダーのエリアはフェンスで仕切られています。
そんななかでも、ランチルームや特別教室などは共有しているので、小学生と一緒になることもたびたびあります。
ビッグバディー&リトルバディーなるものもあります。
上級生(ビッグバディー)とキンダーの子(リトルバディー)が二人一組になって本を読んだりプロジェクトをしたりします。
キンダーの子にとって5年生、6年生の生徒はとっても大きなお兄さんお姉さんです。大きく優しいビッグバディーとすぐに仲良くなって一年間を通して、学年を超えた付き合いを楽しんでいます。
小学生のグループがキンダーのクラスにきてお手伝いをしてくれる日もあります。
ほかにも全校集会やイベントなど、キンダーと小学生の交流は多くあります。
キンダーガーテン vs キンダーガーデン 発音
最後にキンダーガーテンの呼び名について、よくある疑問にひとつお答えします。
「キンダーガーデン と キンダーガーテン のどちらが正しいの?」 という疑問です。
日本ではキンダーガーデンとして知られているようですね。
実は綴りでいうと、「kindergarten」になります。
語源はドイツ語で、英語に直すと
- kinder = children
- garten = garden という意味になります。
kindergarten というのはもともと「子供が遊ぶお庭」という意味だったのですね。なのでガーデンでも意味的にはあっているわけです。
アメリカでは kindergarten と綴られますが、その発音はカタカナ読みのキンダーガーテンとは違うのでちょっと注意が必要です。
kindergarten の発音
アメリカ英語でのkindergartenの発音を簡単にカタカナで解説してみます。
- Kinder のところは、はじめの 「キン」 にアクセントがあります。「ダー」は音がやや下がります。
- garten の “te” はほとんど発音されないので、ガーテンではなく「ガーゥン」か「ガートゥン」に似た音になります
これをつなげていいます。カタカナ読みより速くなめらかにいう感じです。
まとめ
日本とアメリカの公共教育のシステムの違いと合わせ、日本の幼稚園とアメリカのキンダーガーテンの違いをご紹介しました。
キンダーは5歳の1年間のみで、多くの州では義務教育の始まりなんですね。
華やかな入学式もなく極めてシンプルで、親のほうもあまり気負わずに準備ができて楽ではあります。
様々な学習に加え、季節のイベントやプログラムがあったり、小学生との交流があったり、子供たちも元気でのびのびしている印象です。
K-12 の初めの一年、日本との大きな違いをきちんと知っていれば、多少地域で異なることがあっても不安に思うことはありません!
これからの長い学校生活の始まりです。大きなバックパックをからって元気に登校する子供たちを笑顔で見送っていきましょう!
日本とアメリカでは幼稚園の時点ですでに教育システムが違うので戸惑うことも多くありますよね。
私の子供たちはプリスクールには通ってなかったのでキンダーが初めての公共教育でした。