こんにちは、カリフォルニア在住のひっきーままです。
アメリカのキンダーで初めての英語の勉強、子供たちがこの一年で習うことはこれからの全ての教科の基礎になることです。
今日は私の子供たちがカリフォルニア州の公立校のキンダーで習った英語の内容をたっぷりご紹介します。
そう、たっぷり!
英語だけでも本当にたくさんあるんです、一年間で習うことが!
キンダー全科目についてはこちらの【アメリカ】キンダーで習う科目と授業内容!をご覧ください。
キンダーのEnglish (英語の授業)概要
Englishでは読み書きに加えてPhonicsといわれる発音の練習が主な内容です。
アメリカのキンダーで習う英語はこの5つの項目になります。
- Reading
- Writing
- Phonics
- Vocabulary
- Speaking
英語の学習だけでも、こんなにたくさんあるんです!
教科書はMcGraw-Hill出版のWondersという大きな本を使っていました。
かなり大きく重たい本ですが、学校で使うだけなので家に持って帰ることはほとんどなかったです。
先生用にはさらに大きいWondersの本があって、みんなの前で一緒に読んで絵を見てめくりながら授業をしています。
Reading
Reading Comprehension: 読書と読解力
Englishの授業で一番大事なのがReadingです!
読書は英語だけではなく、すべての科目においての基礎となります。
読書をすればするほど語彙も増え、読解力を高めることに役立ちます。
キンダーでは、本や短い物語を読んで、どんな人や物が登場したか、何が起こったのか、などその内容を簡単に説明できる程度の理解力が求められます。
読む内容には物語、ノンフィクション、ポエムなどバラエティーに富んでいます。
読解力の授業の流れ
- 先生が物語を読む
- 生徒も一緒に読む
- 話のKey details(主要ポイント)を話し合う
様々な分野のストーリーを深く理解していきながら、社会、生活、科学などについても同時に学んでいくということが多くあります。他の科目と連携しているわけですね。
みんなで一緒に考えたり、絵をみながら考察したり、ただ文字を読むだけでなく読解力をつけることがReadingの目標です。
いろんな質問を繰り返しながら、何についての話なのかを考える練習をたくさんしていきます。
本を読む際におさえておきたい Key details とはこのような事です
- Name of the book/text(本や記事の名前)
- Author and Illustrator of the book/text(作者の名前)
- Types of text ( storybook, poem, fantasy, non-fictionなど)
- Characters(登場人物)
- Settings(物語の設定、事象の場所)
- Major events in the story(何が起こったのか)
キンダーでは これらの内容を伝えられることが読解力の評価になります。
Silent Reading: 黙読
Silent Reading(サイレントリーディング)といって、各自で与えられた本、または自分の好きな本を黙読する時間もあります。
各生徒にあった本を少しずつ読み進めていく感じです。
図書館とは別に、教室内にもたくさんの本があるので、生徒たちが好きな本を手に取れるようになっています。
自分が好きな本を読んでいきながらポイントをためていけるAccelerated Readerというプログラムに参加しているクラスも多数あります。
Accelerated Reader : AR 読書プログラム
Accelerated Reader、 通称AR とよばれる読書のプログラムがあり、多くの学校が取り入れています。
ARプログラムでは、自分の読書レベルにあっていれば好きな本を選んでいいし、自分のペースで読み進めていけます。
学校やクラスによっては、読書後のクイズのARポイントがたまると景品をもらえたり、賞状をもらえたりして生徒の励みにもなります!
うちの子が通う学校では、キンダーの生徒はクイズは受けなくてよく、読んだ本の冊数をポイントにしてクラスで発表していました。
ARのレベル
ARには独自のReading Levelシステムがあり、あらゆる本がどのレベルの読者に適しているのかが数字でわかるようになっています。
生徒のレベルは、Star Reading Test で得た結果の数値を基準にします。このテストは定期的に行われています。
読書のレベルを知ることで、どんな本が生徒にちょうどいいのか、絞りやすくなります。
本のレベルを調べられるウェブサイトもあります。
生徒が自分のレベルにあった本を読み、読解力をテストするためにとても効果的なプログラムです!
Rhyme:ライム(押韻)
音読する中でアメリカで必ず習うのがRhyme(ライム)です。重要です!
複数の単語の末尾が同じ音で終わるものです。日本では「韻を踏む」といいますね。
Rhymeは、ポエムなどはもちろん、あらゆる物語の文章にも使われます。歌の歌詞などでも多く使われていますよね。
みんなで本を読みながらRhymeの言葉がでてくると、クラス中の生徒が大声で「Rhyme!」と言っていました。
Rhymeって何だ、というのがわかってくると、今度は自分でrhymeする単語をつくる練習をします。
「What rhymes with time?」 という質問に、
「 Chime rhymes with time!」のような練習をたくさんしました。
Reading まとめ
本はとにかく「毎日読む」が基本です! 読書は全ての学習の基礎になる部分です。
読書によって養われることはたくさんあります。
- 認知能力の向上
- 新しい語彙と概念の習得
- 感情の理解や自分の感情表現 などです。
一日20分でも読書を毎日続けた子供は、読まない子供と比べると語彙力にも読解力にも大きな差がついていきます!
家でのReading:親がサポートできること
家では毎日20分以上読むことが宿題のひとつでした。
うちの子のクラスでは家で読んだ本を記録する「Reading Log」がありました。
- 本のタイトル
- 本の作者
- 何分読んだか
これらを毎日記録して毎週提出していました。
お家では一緒に本を読んで、その物語について話をしていくと理解を深めるのに役立ちます。
何を質問していいかわからない時には、「Key details」の事項を参考にしてみてください。
お子さんのReading Levelに合った本を探すのも良いですが、私的にはお子さんが好きな本、読みたいという本はレベルに関係なくどんどん読んでいく事をおすすめします。
自分がよんで楽しいと思う本が一番だからです。
親が子供と一緒にできること
キンダーのReadingで親が子供と一緒にできる具体的なことのリストです。
- 一緒に一行や文章ごとに交代しながら音読する
- 好きな本は何度も一緒に読んで楽しむ!
- 一緒に本を読んで、その内容について話をする
- Rhymeする言葉を探して遊ぶ
- Key Details を質問して理解を確認する
- 更にステップアップした質問をしてみる
「What may happen next?」など
Writing
まずは鉛筆の持ち方から入って、アルファベットの大文字と小文字を練習します。
書き順もきちんと覚えられるように、はじめは書き順を表したアルファベットの点線をなぞって、それから三本線のライン上で練習していきます。
平仮名やカタカナの練習と同じ要領ですね。
大文字と小文字の両方が書けるようになったら、どんな時に大文字をつかうのかを習います。
大文字で始めるときの例
- 文章のはじめ
- 人の名前
- 本のタイトル
- 祝日の名前
- 曜日や月
- I(私は)はいつも大文字 などなど。。。
文章は、短いセンテンスでも Complete Sentence (ちゃんと主語と述語がある文)で書く練習をします。
それから少しずつ長い文章をかけるように練習します。
文の終わりにはピリオドをつける、単語と単語との間には一文字分空白をつくるなども習います。
Composition (作文)
Composition とは作文です。
キンダーで習う作文の種類は Narrative, Opinion, Informative の3つがあります。
- Narrative: 出来事を順番だてて書く
- Opinion:自分の思っていることを文章にする
- Informative:正しい情報を伝える
一学期に一度 Composition のテストがあります。
絵を書いてその絵についての説明を書いたり、短い文章でいいのでComplete Sentenseで書けることが目標です。
まだ知らない単語がたくさんあるので、スペリングはあまり気にしなくてOKです。
文の構築ができることが重視されます。
家でのWriting:親がサポートできること
まずはアルファベットを間違えなく書けるようにお家でも練習しましょう。
特に自分の名前はフルネームできれいに書けるように頑張りましょう!
単語や文章などは実用的なことにからめていくと「やらされてる感」がなくていいです。
- 自分の名前をきれいに書く練習
- お絵描きをした時に、その絵の名前を書いてもらう
- 書いた絵からお話を作って、タイトルを書いてもらう
- お買い物リストを書いてもらう(それを持って一緒に買い物に行こう!)
- バースデーカードを書く
今どきはスマホやパソコンの利用が多く、手書きの文章は軽視されがちです。
でも、この時期には、ちゃんと鉛筆をもって手で文字を書くという練習をすることが大事です。
線をなぞったり文字の形をイメージして鉛筆で書くという作業は頭脳の発達をより刺激してくれるからです。
高学年になるとパソコンでの作業がとても増え、手で書くことがどんどん減っていくので、そのころにはタイピングの練習が欠かせなくなります。
Phonics
学校で始めて習う「文字の音」の学習です。これは日本人の親としては特に興味があるところですよね?
私も興味津々で子供たちの宿題やプリントなどをたくさん見せてもらいました。
Phonicsの重要性はアルファベットとひらがな(またはカタカナ)の違いを考えるとよくわかります。
- ひらがな: 文字の読みと音が同一
- アルファベット:文字の読みと音が違う
英語学習でPhonics が重要な理由
たとえば日本語で「ねこ」というのは「ね」と「こ」を合わせれば「ねこ」と読めますよね。それは「ね」にも「こ」にもそれ以外の音(読み方)がないからできるのです。
英語だと「Cat」という言葉をみたときに、「シー・エイ・ティー」とは読みません。
「Cat はキャットと読む」という、アルファベットを音でとらえてつなげる練習が必要なのです。
まずは「アルファベットにはその名前と音がある」ことを理解します。
先生がアルファベットの発音を一つずつしっかり教えてくれます。
この練習で文字と音の連携ができていくのですね。なんともうらやましいです!
基本的な音を学んだら、それらの音を組み合わせて単語を発音する練習をします。
はじめはCVC wordsとよばれる単語から習います。
CVC wordsとは
consonant(子音)+ vowel(母音)+ consonant(子音)
で構成される単語です。
例えば cat, dog, pot などです。
Cat の場合は 「C(子音) + A(母音) + T(子音)」 のように、単語を一音ずつに区切ってそれぞれの音とそのつながりで発音します。
基本がわかったら、長母音と短母音など、さらに多くの音の組み合わせでできている単語の練習をします。
Alpha Friends:Phonicsの学習例
私の子供のクラスでは Alpha Friend (アルファフレンド)というものを使ってPhonicsの練習をしました。
Alpha Friend はアルファベットのキャラクターと歌を使ったphonicsの学習です。
例えばAだとAndy Apple(アンディーという名前のリンゴのキャラクター)というキャラがあって、そのイラスト入りのカードがあります。
先生がそのカードをみんなに見せながら 「A、Andy Apple、ア、ア、ア♪」 と歌って見せると生徒たちはそれに続いて歌いながら復唱していきます。
生徒たちは先生の口の形を見て、音を聞いて楽しそうに練習していました!
みんなで大声で復唱しながら、一文字ずつ進んでいきます。
うちの子もこのキャッチーな歌が大好きで、家でもカードをみせながら歌ってくれました。
「なるほど、こうやって文字と音を一緒に学んでいくわけね、」と私も子供達から学んでいました。私にとっても良い勉強になりました。
Alpha Friendのように音を学ぶための歌があるのはとても良いです!
家でのPhonics:親がサポートできること
お子さんが学校で習ってきたことを、お家でも一緒に声に出して練習するのが一番です。
私はPhonicsについては何も知らなかったので、家では子供に先生役をしてもらって、その日学校で習ったアルファベットの音(Alpha Friendsの歌とともに)を私に教えてもらうようにしていました。
子供の方もひとりで発音を口に出して練習することは恥ずかしがるかもしれませんが、親が一緒にやってくれると面白がって練習しやすかったようです。
子供と一緒に練習するのは楽しかったです!
Vocabulary
語彙の習得は、高頻度で使われる短い単語から覚えていきます。
Sight Words (High Frequency Words)
これがキンダーで覚える
50単語です!
この表を使って Sight Wordsをたくさん練習しました。
Sight Words (High Frequency Words) とよばれる40~50の単語のリストをもらって毎日少しずつ練習します。
Sight Word(サイトワード)はその単語をみてすぐに読めるようにならないといけません。
はじめのSight Words は I, can, a, the, we, see の6つでした。
だんだんボキャブラリーを増やしていきます。
Question Words
Question Wordsとは質問をするときに使う言葉です。
Who, What, Where, When, Why, How の6つです。
日本でも5W1Hといいますね。
これらの言葉は読む、書く、話す、すべてにおいて必要なので繰り返し練習します。
家でのVocabulary:親がサポートできること
全てのSight Wordsを覚えるのがキンダーの英語では大きな目標です。
どの単語も生活の中でも本を読んでも本当によく目にする語ばかりです。Sight Wordsを見つけるたびに、子供に読んでもらうといいですね。
一緒に遊びながらやるようなものが面白くてよかったです。
Sight Wordsをゲーム感覚で覚える例
Sight Word Flash Card
フラッシュカードはとてもよく使われる学習ツールですね。
Sight Wordsのカードを作って、1枚ずつ見せながら読んでもらいます。
カードを手作りするところからすでに練習です。自分で作ったカードはさらに愛着がわきます。
読めるようになったらスピードを上げていきましょう!
Sight Word BINGO
Sight WordsをちりばめたBINGOを作って、一緒に遊びましょう。
紙に書いて手作りしてもいいですし、パソコンで作っても簡単にできます。
Speaking
Speakingでは先生の言葉での指示を理解できることはもちろん、生徒同士での会話に参加して、質問をする&質問に答えられることが求められます。
Speakingでの目標
- 言葉での指示、質問を理解できる
- 自分の意見や感情を言葉で表現できる
- Complete Sentenseで質問、回答ができる
Complete Sentenceは、短くても主語と述語がちゃんとある文章です。
Complete Sentence (完全な文)の例
What is your favorite food? の問いに対して。。。
× Chocolate. (ただの単語のみで不完全)
〇 My favorite food is chocolate. (主語と述語がある、complete sentence)
Who, what. Where, when, why, howを使っての質問と回答も練習します。
Readingでの読み物についての質問をたずねあったり、覚えたVocabularyを使って文章をくみたてて話したり、各項目で習うことは常に関連しあっていることがわかります。
Show & Tell
Show & Tellとは、みんなにある物を見せて(Show)それについて話す(tell)というクラスでの発表です。
先生から与えられたテーマに合う品物を家から持ってきて、それをクラスのみんなに見せながらその説明をします。
例えば先生が「Your favorite place」というお題をだしたとすると、生徒たちは自分が好きな場所を一つ決めて、その写真を持ってきます。一人ずつ写真を見せながら、それはどこなのか、なぜ好きなのか、などをクラスのみんなに話します。
生徒たちも大好きなShow & Tell、みんなの前で話をする練習にピッタリです!
家でのSpeaking:親がサポートできること
家でも何か質問した時にComplete sentenceで答える練習をするといいですね。
私達大人でも、ちょっとした質問に対して単語だけで返したりすることがありますよね。親の方でもきちんとした文章で子供と話をする事を心がけるとよい練習になります。
学校でShow & Tellなどの発表がある前には、家でも一度練習してみましょう。Complete sentenceで話しをする練習にも、何を伝えたいのか整理をするサポートにもなります。
まとめ
キンダーの英語の授業について、大まかな項目と内容をご紹介しました。
大変なボリュームですので、毎日の積み重ねがとても大切です。
Readingで読んだ内容について質問をする、理解したことを話す、ボキャブラリーを使って文章を書く、など各項目で習うことは常に関連しています。
毎日の読書を中心に、お家での英語の練習をお子さんと一緒に楽しんでできる環境を作ってあげられるといいですね。
キンダーでは文章を書くのが大変なところかな、と思います。
お絵描きをしながらその横に短い一文を書いてもらう、など小さなことを続けてみましょう。
先生からの指導を中心に、私が実際に子供達とやってみて楽しく効果的だった家でのサポート方法も紹介しました。みなさんがお子さんの英語の練習をお手伝いされる際の参考にしていただけると嬉しいです。
他の教科でも教科書はかなり大きいですが、多くの場合学校に置いたままです。