こんにちは、カリフォルニア在住のひっきーままです。
アメリカで中学校に通うお子さんがいるあなた、「キャリアデー」というイベントがあることをご存知ですか?
このイベントでは、将来の仕事や大学について考えるための体験ができるよう、授業の一環として模擬面接や履歴書作成などが行われます。
うちの子が通う中学校では毎年春になると、8年生(中学2年生)を対象に「キャリアデー」が行われます。
- キャリアデーってなにをするの?
- アメリカの中学生は進路についてどう考えているの?
- 学校では生徒の将来へ向けてどんなサポートをしているの?
- キャリアデーへ向けて準備することは?
アメリカでは、キャリア(将来の仕事)や大学の話が早い時期から学校で取り上げられます。
今日はそのための準備に忙しい娘の様子を交えながら、中学校でのキャリアデーの内容を私の考察と共にお伝えします。
アメリカで中高生を子育て中のあなたに、子供達の将来に向けて学校ではどんな活動をしているのかを知る機会になれば嬉しいです。
また親が子供にできるサポートとは何かを考えていくための参考にしていただければと思います!
中学校のキャリアデーの役割
中学校でのキャリアデーってなに?
一般の「キャリアデー」とは、さまざまな企業が学校に集まり、企業説明をしたり、仕事とキャリアアップに必要な教育やスキルについて情報を共有する活動です。
では「中学校のキャリアデー」というと?
うちの子の通う中学では、実際の企業との交流はないまでも、生徒たちに将来の自分の目標となる姿を描き、考えさせるための一連のサポートを提供するイベントとして催されています。
キャリアデーの当日は、生徒たちが実際に面接の練習をします!これが大きなイベントの目玉なっています。
面接官は先生方ではなく、生徒の保護者や地域の企業からのボランティアで構成されているんですよ!
生徒たちも緊張しますよね。
具体的には、将来の職業についてのブレインストーミングをしたり、実際の仕事の求人広告をみてみたり、履歴書作成なども行います!
キャリアデーのメリット
キャリアデーが中学校で行われる主な目的は、生徒たちにさまざまなキャリアの選択肢をしってもらい、自分の将来の姿や、仕事に必要なスキルと教育について関心をもってもらう事にあります。
キャリアデーを中学校で行うことで生徒が得ることはたくさんあります。
- 自分の将来について具体的に考えるきっかけになる
- これまで考えたことのなかったような職業を探ることに役立つ
- 自分の興味+職業+勉強を結び付けるのに役立つ
- 視野が広がり、新しい興味や情熱の発見に役立つ
- 就職活動の疑似体験をすることで実際の就活のイメージができる
このように、生徒が自分の興味を探求し、目的意識と方向性を育むのにとても役立ちます。
うちの子にとっても将来の目標を考える動機付けになっているように思います!
なぜそんな早い時期から就職の準備を?
私が中学生の時を思い出すと、恥ずかしいくらいに将来の事なんて考えていませんでした。 高校を決めたのも、なんとなくカッコいい学科があるからという安易な理由からだったような・・・。
これを考えるには、アメリカと日本での大きな違いを知ることが大切だと思います。
私はこの二つの大きな違いが影響していると思っています。
- アメリカには高校受験がない!
- 高校では自分でとる授業を決め、選択科目も多い
高校の選択肢も少なく、どの高校に行こうか?と悩むこともあまりないです。ストレスの中で受験勉強をすることもありません。
そして、高校では選択科目が多くあり、自分がどんなことに興味があるのか、どんなことを学んでみたいのか、どんな活動に参加したいのかをはっきりさせておく必要があります。
なので生徒たちは、どの高校にいくかではなく、「高校で何をするのか?」さらには「高校卒業後に何をしたいのか?」ということを考えています。
将来自分がやりたいことを軸に、高校での選択科目や卒業後の進路を早い時期から考える必要があるんです。
そのような背景から、中学校のうちから生徒たちの進路をサポートするためのキャリアデーを行っているのだと理解してます。
キャリアデーに向けての準備
キャリアデーに向けての準備にはこのようなものがあります。
- Brainstorming:将来についてのブレインストーミング
- Portfolio:ポートフォリオ作成
- Job application:求職申し込み
- Cover letter:カバーレター作成
- Resume:履歴書作成
- Mock Interview:模擬面接
Brainstorming : ブレインストーミング
まずは自分の将来の姿についてブレインストーミング作業を行う事から始まります。
「自分の趣味は何だろう?」「自分はどんなスキルをもってる?」などを自分に問いかけていきます。
ブレインストーミングには次のような質問が効果的です。
- 自由な時間に楽しんでいる活動や趣味は何?
- 学校のどの教科が得意で、面白いと思う?
- 関心を持ち、解決したい問題や課題は何?
- チームワークと一人の作業とどちらが好き?
何をするのが楽しいのか、何が得意なのかを考えることで、自分の興味や強みが明確になっていきます。
そして、自分の興味やスキルに合ったさまざまな職業のアイデアをだしていきます。「自分に合う仕事ってなにがあるんだろう?」と考えていくだけでも夢が広がりますよね!
Portfolio:ポートフォリオ作成
ポートフォリオとは、応募している仕事に関連するスキル、能力、経験などを示す作品サンプルのコレクションです。
プロジェクトの成果品、写真、作品一覧など、さまざまなサンプルが含まれます。
うちの子の学校の生徒たちは、Google Siteを使い「Digital Portfolio」と題した小さなウェブサイトを作成しました。
そのウェブサイトには、科目ごとに授業のノートや重要なポイント、プロジェクトの写真などを作品としてのせています。
Job application:求職申し込み
自分が付きたい職業がはっきりしている人はその職業について、まだはっきりわからない人は地元の企業やレストランなどの実際の求人情報をみてみます。
学校から配られた求職申込書のサンプルフォームに記入して、実際の仕事に応募する要領を学びます。
なかなか本格的です!
Cover letter:カバーレター作成
カバーレターは、履歴書や求職申し込み書と一緒に、自己紹介をするために添える1ページの文書です。
学校では、カバーレターのテンプレートにそって内容をタイプしていきます。
「自分の得意はこんなことなので、こんな分野で貴社の役に立ちます!」というようなことを短い文章にまとめていきます。
カバーレターは書式があるとはいえ、結構むずかしいです。
Resume:履歴書作成
履歴書も学校からのテンプレートを使って作りました。
中学生なので、学歴は今までの小・中学校と、そこで履修した主なクラスを書いていました。
何かの賞をもらった科目や活動、身につけたスキル、スポーツや課外活動、ボランティア活動などの経験を思い返しながら、履歴書を作成していきました。
学歴、職歴がほぼないとはいえ、かなり充実した内容になりましたよ!
Mock Interview:模擬面接
「Mock Interview」とは模擬面接のことで、キャリアデー最後の大仕事です。
「コミュニティ・インタビュー」と名がついた模擬面接には、生徒の保護者や地元企業からのボランティアも面接官として参加してくれます。
面接官に良い印象を与えるためには容姿を整えることも大切ですね。
当日はみんな面接にふさわしい恰好でくるように指示されます。いつもTシャツにジーンズなどの楽な恰好に慣れた生徒たちがそろってスーツ姿で登校するのはちょっと恥ずかしいかも!
短時間とはいえ、このような面接の練習をする機会は間違いなく将来の就活に役立ちますね!
親が子供にサポートできること
このような素晴らしい活動を学校側は用意してくれるのですが、「自分の希望する仕事なんてわからない」「特に夢なんてないし・・・」と困惑顔の生徒たちが多くいるのもたしかです。
そんな子供たちが自分の将来にもっと関心をもって、具体的に夢や目標を描けるようになるために、親である私たちはどんなサポートをしてあげられるか考えてみました。
子供の興味や視野を広げるお手伝い
小さいころから夢や憧れの職業を持っている人にとっては、キャリアデーでの仕事選びも容易かもしれませんが、みんながはっきりした夢をもっているわけではないですよね。
そんな子供たちに私たちが手伝えることは、例えば・・・
- 子供の長所やスキルを言葉にしてあげる
- 子供の趣味や得意なことを見つめなおす
- いろんな職業について子供の視野を広げる手伝いをする
- 自分の好き、得意なことが将来仕事につながる可能性を示してあげる
子供の長所やスキルを言葉にしてあげる
子供達に限らず私たちも、「あなたの長所は?」と聞かれてすぐに答えることは簡単じゃないですよね。
子供を見ていて、ここはこの子の良いところ!と思う事はどんどん言葉にして伝えてあげてください。
子供の趣味や得意なことを見つめなおす
子供が何時間でも飽きないでやっていることは何だろう?
どんな事を一番楽しくやっているだろう?
と、子供の行動をふり返ってみると、今まであまり気に留めていなかった趣味や得意なことがわかってくるかもしれません。
子供達の趣味や得意なことはどんどん伸ばしてあげられるといいですね!
職業について子供の視野を広げる
「世の中にはどんな仕事があるのか」、それを知らずに「やりたい仕事は何?」と聞かれても、選択肢になにが書いてあるのかわからないまま選択問題を解くのとおんなじですよね。
そんな子供達に、世の中にはこんな仕事もあるんだよ、ということを何か機会があるたびに教えてあげるといいと思います。
親戚の子が通う中学校では「Parent Career Day」と称して、子供の保護者たちが自分の仕事の内容やその仕事にまつわる体験談などをクラスで話をする日があるんだそうです。
大人の私たちも色々な仕事を知っているようで、内容についてはよくわからない職業なんかもありますものね。
自分の好き・得意が仕事につながる可能性を知る
自分の長所、趣味、得意な事などをあらためて探っていくことは自分を見つめなおすとってもいい機会です。
自分のことがわかってきたら今度はそんな自分の特徴を将来どんなふうに活かしていけるのかを一緒に話しながら、いろいろなアイデアを出していくといいですね!
どんどんアイデアを出していくことで、子供の頭の中にも今まで考えもしなかった将来の自分の姿が浮かんでくるかもしれませんよ!
私は上記のようなことを娘にうまく伝えられる方法をはないかなーと思い、子供達と一緒に強みと将来を考えるプロジェクトをやってみました。
このような楽しいアクティビティを通して子供がキャリアについての理解を深め、視野を広げられるといいですね。
まとめ
中学校でのキャリアデーは、とても実践的で子供達の将来に直結するスキルが身につく大きなイベントですね。
私自身は特に小さいころから夢があったわけでもなく、高校も仕事もなんとなく決めてきてしまった感があるので、こんなチャンスがある子供達をとてもうらやましく思います!
若いうちから将来の「なりたい自分」を描けることはとても大切なことなんだなぁと実感しています。
私たちも、これからの将来に向かって歩んでいく子供達を元気に応援していきましょうね!
その最終目的にむけて、生徒たちは2か月近くをかけて準備を行います。