こんにちは、カリフォルニア在住のひっきーままです。
毎年11月の第4木曜日はサンクスギビング(感謝祭)!
アメリカの国民の祝日です。
秋の収穫や日々の恵みに感謝をし、たくさんのご馳走とともに家族みんなそろって過ごします。
アメリカで子育てをしていると、今までは「ただの祝日」だったものが「家族で過ごす大事な日」になったりします。
子供たちは学校で習ったアメリカ文化を私たちにたくさん教えてくれます。そして、家族にとっても新しい祝日の過ごし方が生まれてくるんですよね。
サンクスギビングもその中の一つ!
今日はアメリカの子供たちがサンクスギビングについて学校で何を教わりどんなアクティビティをしているのか、私の子供たちが通うカリフォルニアの小学校の様子をとおして紹介します。
アメリカで子育て中のあなたに、サンクスギビングを前に学校での活動を知ったり、家での過ごし方の参考になれば嬉しいです。
ジャンプできる目次
小学校で習うサンクスギビング
サンクスギビングというと「自然の恵みと収穫への感謝」というイメージが大きいかもしれませんが、その由来を知るとそもそも何に感謝しているのかがわかります!
アメリカの小学校ではサンクスギビングを通してイギリスからの移民のはじまりの頃の様子を教えています。
特にキンダーガーテン、1年生、2年生くらいまではクラスでサンクスギビングの由来になる歴史の本を読んだり、ビデオを見たりして理解を深めています。
ここでは小学校1年生くらいで習うサンクスギビングの内容ということでざっくり説明します。
サンクスギビングを習うときに大事な言葉3つ!
子供が学校で習ったことをはりきって説明してくれるのは嬉しいですね!うちの子達も学校で読んだお話やプリントとともにサンクスギビングの由来を私に話してくれました。
サンクスギビングを習うときに必ずでてくる単語はこの3つです。
- Puritan
- Pilgrim
- Mayflower
Puritan(ピューリタン)
イギリスで、国王を中心とした宗教体制に反対し、違う理念のキリスト教を求めた人達。
日本では「清教徒」と習いました。
Pilgrim(ピルグリム)
ピューリタンのなかでも、イギリス国教会から離れて理想の新天地を探して初めに旅立った人達。
日本の本には「ピルグリム・ファーザーズ」と書いてありました。
Mayflower(メイフラワー)
ピルグリムが乗り込んで新天地へ航海した船、メイフラワー号
この三つの言葉を理解していると、子供が学校で習ったサンクスギビングの話を聞くときにスムーズに理解できます!
サンクスギビングの由来
ピルグリムについては最後に説明しますが、少し長くなるのでまずは主に小学校で教えられるサンクスギビングについて簡単に概要だけ。
時は1620年、イギリス移民による植民地時代にさかのぼります。
- イギリスでは、国王を中心とした宗教制度にピューリタンは反対していた
- イギリス国教会の制圧からのがれようとピルグリムと呼ばれる一行がメイフラワー号にのって新天地へむけて航海をはじめた
ピルグリムがアメリカに渡ります
- 1620年11月にプリマス(現在のアメリカ、マサチューセッツ州)にメイフラワー号が到着
- 病気と食糧不足により、ピルグリムのうち半数は冬を越せずに亡くなった
そして翌年の春
- 1621年、原住民の二人がピルグリム達と遭遇。
彼らに狩りや魚釣りを教え、その地で育つ植物の種をわけ育て方を教えてくれた
- 原住民の助けによってその年の秋にはたくさんの実りを収穫でき、感謝したピルグリムは原住民を招いて三日間にわたってお祝いのパーティーをした
このお祝いが初めてのサンクスギビングだといわれています。
細かな歴史の背景よりも、交流と収穫に感謝をする気持ちに重点を置いています。
今では原住民や収穫への感謝にとどまらず、家族や自然、自分の周りのいろいろな人や物への感謝を表す日としてアメリカでの大きな祝日となっています。
アメリカの小学校では、サンクスギビングを前にこのような歴史を教えることで、
- 移民が原住民に助けられ、友好関係を築いた歴史があるということ
- 人々が助け合うことの大切さ
- 大きな実りにより日々生きていける事への感謝
を子供達へ伝えているものだと感じます。
クラスでのアクティビティ
歌とお芝居
キンダーガーテンや低学年クラスではサンクスギビングにちなんだ歌やお芝居をすることがあります。
うちの弟くんがキンダーガーテンの時には、感謝のメッセージと歌の発表会がありました。
ピルグリムと原住民のコスチュームで舞台に登場した生徒たち。
Hap Palmerの「Things I’m Thankful For」という歌を学年全員で歌ってくれました。
子供達が振り付けと一緒に大きな声で歌っている姿がとってもかわいらしくて、ウルウルしちゃいました。
メロディもきれいで歌詞もサンクスギビングにぴったりのとってもいい歌です。学校から帰って弟くんにもう一度ソロで歌ってもらいました。
工作
サンクスギビングの伝統料理はターキー(七面鳥)の丸焼き。
お絵描きと工作もターキーにちなんだものがたくさんあります。
- 紙プレートを使ったターキー
- カラフルな羽を集めてターキーを作る
- ターキーの絵を描く
- メイフラワー号の絵を描く
うちの子達も毎年いろいろな工作を楽しんでいます!
素敵なペイントの作品もできました。
先生がちゃんとラミネートまでしてくれて嬉しい心遣い。
作文
自分が感謝するものについての作文や詩をかいてクラスで発表しました。
みんな、家族や友達、先生などの自分と一緒にいてくれる人たちに一番の感謝をしているようです!
サンクスギビング・パーティー
親がボランティアで参加できるパーティーもありました。
いくつかのグループに分かれてゲームをしたり工作をしたりサンクスギビングのお話を読んだり。
最後は定番のパンプキンパイを一緒においしくいただきました。
サンクスギビング・バスケット
この時期は感謝や助け合いを表す活動も盛んです。
食べ物の寄付を集め必要な人たちに配る活動はフードドライブとよばれ、地域のあちらこちらで行われています。
うちの子の学校では、サンクスギビング・バスケットという名前で、食料と生活用品を集めてホームレスや地域の必要な人達に配る活動に参加しました。
教室に置いたバスケットに生徒たちが野菜や果物の缶詰などを集めていきます。
こうした活動を通して生徒たちも地域の一員として誰かの役にたてることを学んでいるのでしょうね。
お家でサンクスギビングを祝う
子供が学校でサンクスギビングについて学び、いろんなアクティビティをしていると、「じゃ、家では何をするの?」と考えちゃいますね。
お家でもサンクスギビングをお祝いするためにできることはたくさんあります!
デコレーション
お家の中をちょっと飾りつけるだけでも、秋の恵みのイメージが感じられてサンクスギビングにぴったりです。
- 秋の農作物を大きなバスケットにいれてテーブルに飾り恵みに感謝
- 公園で集めた葉っぱや植物を使った工作を飾って自然に感謝
- ハロウィンでも活躍したパンプキンを飾っておく
サンクスギビングの休暇は小学校だと1週間程度あるので、その間にちょっとした工作を一緒にして飾っておくのも楽しいですね!
感謝を表現しよう
お友達の中には、サンクスギビングの食事の前には家族みんな一人ずつ「私が感謝するもの」を言ってから食べはじめるという家族もいます。
おうちでも、毎日の生活で感謝することをあらためて口に出して言ってみる、家族に「いつもありがとう」と声をかける、など日頃の感謝を表現することも大切ですね。
「Happy Thanksgiving!」と、感謝している人にカードを書いて渡してみてもいいかもしれませんね!
家でのファミリー・トラディションをつくる
アメリカの家族はサンクスギビングには家族みんな集まって大勢でご馳走を食べて過ごすのが一般的です。
私は、アメリカ人はファミリー・トラディション (Family tradition) をとても大事にしているな、とよく感じます。
少なくとも私の周りの人達は、自分の生まれ育った地域での伝統、家族での習慣、おばあちゃんから伝わった料理の作り方などを大切にしています。
サンクスギビングの料理も、定番はあるとはいえ、各家族のスタイルや味付けにいろんな違いがあります。
サンクスギビングの過ごし方も様々です。
大勢の親戚をもてなすために何日も前から料理を始めたり、逆に出かける側だと渋滞を避けて深夜に何百マイルもの長距離ドライブをするお家もあります。
あちこちの親戚に会うため、サンクスギビングの当日に何軒かの家をはしごしている人も割とよくいます。
どんな方法であれ、「大切な家族と一緒にひと時を過ごすために我が家が毎年やってること」がファミリー・トラディションになっていくんですよね。
もしあなたが
- アメリカに来たばかりでよくわからない
- 日本人だけの家族でアメリカに住んでいる
- 一緒に集まれる親戚がいない
のだったら、あなたの家族だけのサンクスギビングのトラディションを今から作っていかれると素敵だと思います。
- 伝統料理のターキーの丸焼きにチャレンジ
- ちょっと豪華な食事と飾り付けで実りの秋に感謝してご飯をたべる
- おいしいデザートを子供と一緒に作る
- みんなで一言ずつ「私が感謝するもの」を言ってみる
などなど、一つでも二つでも家族での特別な時間ができるだけで子供も喜びます。
我が家では、以前はよく家族同様の付き合いをしている友達と一緒に祝っていました。彼らの家でご馳走になったり、我が家で作ったり。
毎年、夫の母から受け継いだレシピでターキーを焼いてみんなで食べる。それがうちのファミリー・トラディションになっています。
子供が大きくなった時、「うちのサンクスギビングはいつもこうやって過ごしたよね」と家族でのいい思い出になっていくといいですね!
覚えていましたか?
私も歴史で習ったはずですが、記憶があやふやでした。